(4)有機農法に基づく食料生産

化学肥料による農法では、本来作物の持っている豊かな栄養を得ることは出来ない。さらに大量生産を目指す ので、運送のエネルギーも馬鹿にならない。最近の有機農法は、不耕起でその場所から実、種など必要なものを 取り、土地を痩せらせず次期に備える。また区割りを必ずしもせず、多くの種をその場の土に混ぜ団子を作って 、振り蒔きその地にあって成長するもののみから収穫を得る。 さらに単一品種のみを多量に生産することはせず、多品種小量(自給自足に必要量)を目指す。また、 それらの品種がお互いに助け合う性質を利用する(コンフリー-深い根から地中の微量元素を吸い上げる-と果樹、 鶏と果樹、等のコンパニオンシップ)。そうすれば一種の害虫で、多量生産を目指す収穫の壊滅的打撃は免れる であろう。 この様に多くの知恵のある人々は、自給自足にふさわしい手法を有効に開発しつつある。 米はそのもので相当バランスの取れた食品である。現地で栽培収穫する準備をすすめている。 カリフォルニア松は、早く成木するので虫に弱い。そのため防腐、防虫に有毒な薬物を使っている。 日本の檜は比較的強く、NZの後世のため育てている。これら生き物は工業製品と異なり、成長までに一定の 年月が要る。次の世代まで考えた配慮が必要である。

先にも触れたように、農業生産は太陽エネルギーを効率よく取得してくる方法であることを考え、各人が一定の 食物生産の作業を分担しなければならないということだろう。 有機農法による作物の具体的な育て方などについては専門書にゆだねたい。

引用文献
1)福岡;”わら1本の革命”、春秋社、1983年 5月30日
2)ビル・モリソン;”パーマカルチャー−農的暮らしの永久デザイン”、農産漁村文化協 会、1993.



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